[音楽×美術]現代音楽のインスタレーションに参加させていただきました。

2025年3月19日

岡山大学プロデュース アンドレ・ジョリヴェ没後50周年企画「パリの異国趣味と現代音楽の世界」@岡山大学Jホール レインボーコンサートvol.92 に、美術教育講座の1年生と「アンドレ・ジョリヴェ《五つの呪文》」のインスタレーション担当として出演させていただきました。


《五つの呪文》は〈交渉相手を迎えるために-そして会見が和解に達するように〉〈生まれてくる子が男であるように〉〈農夫の耕す田畑の収穫が豊かであるように〉〈生命と天地の穏やかな合致のために〉〈首長の死へ-その魂の庇護を得るために〉から成り、約20分間諸田先生がフルートを独奏されます。


ジョリヴェはフランスの作曲家で、現代音楽のカテゴリーに属しながらも異質な作曲家として存在しています。本コンサートでは、フランス植民地行政官兼民族誌学者であった叔父の影響や、19世紀後半の万博や異国趣味などをふまえて、ジョリヴェが異質な音楽を書くに至った経緯を辿ってみます。

五つの呪文は、アフリカの原始的な呪術音楽への興味がみられます。


私たちは、演奏の間、曲の感情の機微を感じ取りながら、色とりどりの仮面や画用紙を並べていくパフォーマンスを行いました。

仮面や画用紙の色彩は曲に合わせて事前に用意したもので、1つ1つに意味があります。

しかし、当日の演奏を聴いて、組み合わせや置き方を変えた部分もありました。


1人7つの仮面と画用紙を担当し、それぞれが感じたことを表現しています。

ちなみに私は、音楽から生への強い執着や、憤り、不安、希望のようなものを感じ取り、鈍い色と色相のコントラストで表現しました(下の画像)。

パフォーマンスでは、仮面のような表情と空気のように目立たないように動くことを心掛けながらも、静かな感情の変化や儀式の緊張感が伝わるように指先や目に力を込めていました。


終演後、写真を撮って帰られる方がいらっしゃったり、「時間の流れを表現されているのが伝わってきました」と感想を言ってくださる方がいらっしゃったりしたのが嬉しかったです。

音楽はその時その場で奏でたということが大切で、美術は形として作品が残っていったり、あとから作り変えたりできることから、「時間」のとらえ方が異なる芸術といわれることもありますが、今回のような取り組みは、音楽と美術が同じ時間を共有して作り出せた芸術だったのかもしれません。

このような機会をくださった諸田先生、音楽コンサート関係者の方、ご助言をくださった清田先生に感謝いたします。


文:スイミー

岡山大学 清田哲男研究室

岡山大学で美術教育・創造性教育を研究している清田哲男研究室の学生・院生によるBLOGです。清田哲男教授のご指導の元、学部生7人、修士課程2人、博士課程3人、助教1人の計12人で、岡山大学を拠点に、教育の可能性を広げる研究・実践を行っています。子どもたちの豊かな未来を想い、日々活動しています。

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