中学校の鑑賞の授業を見学しました。

本日の授業では,菱川師宣の見返り美人図を鑑賞することで,作品がどうやって作られているのか,この作品が何故文化財であるのかを考え,今も修復が施されながら保管されている所以を探っていました。

最初にタブレットで概要を知り,模写作品に近づいてじっくり観察。先生からの問いにタブレットですぐさま回答し,疑問や思いをみんなで共通します。

生徒たちは,美術時間で行われている作品の修理プロジェクトや,作品をもとにして現代で作られた絵画作品やアニメーションなどの新たなコンテンツに触れ,自分だったら見返り美人図をどのように継承するかを考えました。

実はこの模写作品は,先生が大学時代に制作したもの。本物そっくりに作りこまれた作品に,驚きました。

授業の後は,見学していた先生方で意見交流を行いました。清田先生からは,授業の基本的な考え方のお話がありました。本日の授業を行った先生から生徒観,教材観,指導観をお聞きし,その先生のお考えを解釈し,評価の方法と共に今後の授業づくりで活かせる工夫をご紹介されました。

先生方のディスカッションでは,生徒のどの発言や行動が,どのような方向から評価ができるのかを議論しました。授業で学んでほしいことによって,どんな行動が評価されるかは異なり,生徒はそれぞれの感じ取り方をしていたというお話でした。

清田先生は,「物に一点から光を当てると陰ができて美しい形が見えるが,全方向から光を当てると陰がなくなって見えなくなってしまう。」とおっしゃっておりました。生徒のいいところを見るには,どの方向から見とるのかを定め,焦点を絞って評価する必要がありますね。

授業見学の場を作ってくださった先生方,一緒に議論をしてくださった先生方,ありがとうございました。本日の学びを,今後の教育活動に活かしていきたいと思います。


もち

岡山大学 清田哲男研究室

岡山大学で美術教育・創造性教育を研究している清田哲男研究室の学生・院生によるBLOGです。清田哲男教授のご指導の元、学部生7人、修士課程2人、博士課程3人、助教1人の計12人で、岡山大学を拠点に、教育の可能性を広げる研究・実践を行っています。子どもたちの豊かな未来を想い、日々活動しています。

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