空気と戯れる

空気をもっと感じたい。そんな思いから、大きな透明ビニール袋を用いて様々な遊びにチャレンジしました。

かまくらのような大きなビニール袋は、風を受けてさらに大きく膨らみます。中に入ると、なんとも落ち着く空間でした。

空気の流動によって、まるで呼吸しているかのよう。

ビニールの隙間に入ってみると、なんだかニュルニュルして、やわらかくて暖かくて、きもちいい。

今度はもっと大きくしてみたい。どんどんビニールを繋げていきます。


入口はどうする?風はどっちから吹いてる?

チョークマーカーで、ビニールに絵を描くと、なんだか空に直接描いてるみたい。

ブラックライトで照らすと…描きたいものがどんどん増えていきます。

「パタタタ…」雨が降ってきた音でした。小さな雨粒たちがビニールの上で大きな一つの水溜りになって、つうーっと落ちていきます。

雨が当たるたびに、ブラックライトでぽつぽつと光る!

「大きなビニールかまくらの中に、小さいビニール風船をいっぱい入れたらどうなる?」との提案。走って空気を入れ、しぼまないうちに結びます。


そうしていると、自然に次の遊びが始まります。


せーのっ!でビニールを上に押し上げる。ぐんっと空気の重さを感じたその瞬間、ビニール袋は天高く舞い上がります。滞空時間は7秒くらい。ふわふわと落ちてきて軽そうだけど、キャッチしたら重いし頭や腕に絡みつく。ビニールの質量を思い出します。


「空気を投げる」感覚がおもしろいことに気づきました。



つかまえたっ↓


できた風船をかまくらに入れると、広いビニールの中に空間の仕切りができて、居心地が変わりました。


包まれる安心感。

気づけば日が暮れて、あたりは真っ暗。内側から外を見ると、ちょうど街灯と重なった外にいる人の影が面白いことに気づく。

外からかまくらの上に落ち葉を撒いたり、踊ってみたり。かまくらの中の観客たちに、芝生の舞台からミュージカル。

外から見たら、幻想的で怪しげな集まり…中はキャンプファイヤーみたいで落ち着く感じ。海月のようにふわふわ動いてます。

じつは、夕方に風がなくなって、かまくらがしぼんじゃったんです。どうしようか考えた末、夏に制作したポンドタワーを中に立てて、サーキュレーターで絶えず風を送ることで、安定させていました。ポンドタワーありがとう。




「入る」「押す」「押される」「包まれる」「投げる」「描く」「照らされる」「居る」…

空気との関わり方が沢山模索できた一日でした。


そして、なんにもないと思ってた緑地。そこには大人が本気で遊べる空間があったことに気づきました。それに気付かせてくれたのは、大きなビニール袋。まだまだ新しい遊びを開拓できそうです。


なんだか、この日から空をよく見上げるようになった気がします。


さて、つぎはみんなで、なにをしましょうか。





この活動の企画及び材料のご提供をしてくださりましたANCSの先生方、大変感謝いたします。今後ともよろしくお願い申し上げます。


もち

岡山大学 清田哲男研究室

岡山大学で美術教育・創造性教育を研究している清田哲男研究室の学生・院生によるBLOGです。清田哲男教授のご指導の元、学部生7人、修士課程2人、博士課程3人、助教1人の計12人で、岡山大学を拠点に、教育の可能性を広げる研究・実践を行っています。子どもたちの豊かな未来を想い、日々活動しています。

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